会員 平川良信
環境先進国デンマーク視察報告
その1

デンマークはどんな国?


 

デンマークは、人口535万人、北海道の約半分の面積に、北海道程度の人が住んでいる国です。

人は財産という考えから病院と学校は無料で、国民一人当りの発展途上国への援助は世界最大。税金は、直接税と間接税を合わせて約50%。世論調査では、それを高いと思わない人が約80%といいますから、その税金が国民に見えるようにしっかり還元されているのだと思います。投票率は80%以上。多分、誰を選ぶかで政治が変わるので、政治への関心が高いのだと思います。

家並みは、落ち着いた中間色で品があり美しく、全体が調和しています。土地は平坦で、地平線まで広々と農地が延々と続く様は、何となく北海道に似通っているような気がします。

デンマークは、学校では、酪農を中心とした農業国として習った方が多いと思います。そのデンマークが、環境先進国として知られるようになったのは、1973年の石油危機がきっかけでした。

デンマークのエネルギー自給率は、1972年にわずか2%でした。それが、1973年の石油危機をきっかけに、エネルギー自給に取組み始め、2000年には何と139%になりました。

最初の計画では、原子力発電も入っていましたが、後に市民の反対で取りやめました。
ずっと力を入れて来たのは、風力発電、バイオガス、麦わら、ゴミ発電などの再生可能エネルギーです。デンマークの消費エネルギーの内、再生可能エネルギーで賄っているのは、今では約11%にまでなりました(参考:日本は1%)。残りは、北海油田の開発によっています。これも、理想をめざしながらも、現実を見て最も良い方法を選ぶデンマークの国民性を表しているように思います。

まずは、エネルギー自給のために、効果的な方法を採りながら、再生可能エネルギーの開発も並列して進め、将来、北海油田が枯渇するまでには、全てを再生可能エネルギーに置き換えて行こうという計画のようです。

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