CASAの活動

東京支部

東京支部は、関東のCASA会員がお互いに交流できる“場”です。
一ヶ月に1回勉強会中心の“定例会”の開催ほか、イベント出展や学習会の開催などを行っています。
CASAの会員であれば、どなたでも参加できます。また、CASA会員以外の方の参加も歓迎です。

CASA東京支部定例会

日時 2024年11月17日(日)13:30-16:30

1「高断熱化するなら高気密に!」
質疑
 寒い地域が念頭でなく神奈川県の事例も。
 せっかく高断熱の家を作っても、隙間だらけで気密が悪くては性能が達成できない。
 業者にも勉強してもらわないと高気密の家は出来ない。
 住宅展示場ではZEHを宣伝しているが、現状では施工が技術に問題がある。
 気密性などは後から調べられるか。サーモグラフィーはできる。

2「最近の温暖化エネルギー政策などの動き」
 気候変動枠組条約の締約国会議がアゼルバイジャン・バクーで開催中。CASAの現地報告もあり。
https://www.casa1988.or.jp/to_know/5767/
 JERAに対し業務改善勧告、経産省
https://www.meti.go.jp/press/2024/11/20241112001/20241112001.html
 NGOの声明、FOEの報告「JERAは電力価格を吊り上げ消費者や新電力事業者に甚大な不利益をもたらした」
https://foejapan.org/issue/20241115/21281/
 最近の温暖化、エネルギーの動きの報告を受けて話し合った。

3.次回日程
 次回は12月8日(日)午後1時半よりインターネット会議で開催することを決めた。

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CASA東京定例会議事録

日時:2024年9月22日(日)13:30~16:30

1.ブルーカーボンについて
藻場の吸収などのブルーカーボンについて報告を受け、議論した。

2.南オーストラリア州の脱炭素について
南オーストラリア州は、2006年ごろは再エネ電力1%だったが、2023年に74%に急増、2027年は実質再エネ100%を目標にしている(連邦政府も2030年再エネ電力82%目標)。
慣性力・大型電源割合が電力系統安定に必要という意見に対しては南オーストラリアの再エネ74%の大半は太陽光と風力の変動再エネで、系統蓄電池とも組み合わせ慣性力や周波数調整も行う運用を実施、2023年のクリスマスには屋根置き太陽光だけで昼間の数時間の需要を賄った。
報告を受けて議論した。

3.日本の最近の排出削減対策計算について
NGOと研究者が協力し、2035年を含む2050年までの削減シナリオが発表された。
未来のためのエネルギーを考える研究者グループ(東北大明日香先生たち)、自然エネルギー財団、WWFジャパンは2035年にエネルギー起源のCO2排出量を66~80%削減できることを示した。これらは2035年には原発はゼロかほとんど使わず、石炭火力は使用していない。1時間ごとの電力需給バランス確保も示している。
報告を受けて議論を行なった。

4.次回日程
10月27日(日)13:30からインターネットで開催することを決めた。

CASA東京支部定例会議事録


日時:2024年7月13日(土)13:30-16:30

1.「1.5度目標を実現するエネルギーシナリオとは」
JCIウェビナー「日本のエネルギー政策はどうあるべきか:1.5度目標を実現するエネルギーシナリオとは」から、IGES・田村さんの「IGES1.5℃ロードマップ」、自然エネルギー財団・高瀬さんの「自然エネルギー財団2035年エネルギーシナリオ」、WWFジャパン小西さんの「WWFジャパン脱炭素社会に向けた2050年ゼロシナリオ 2024年版」を見て議論した。
カーボンプライシングのレベルが低すぎるのではないか。これで目標を達成できる効果が出るとは思えない。
技術も対策コストも問題なく、対策をした方が得。進まないのは制度仕組みの問題。

2.「最近の温暖化エネルギー政策などの動き」
最近のエネルギー政策などの動きの報告を受けて議論した。
報告を見ると省エネ再エネを着実に実施すれば大きな削減ができる。

3.次回日程
8月は日程が合わず休会。
9月は22日(日)13:30よりwebで開催することを決めた。

CASA東京支部定例会議事録


日時:2024年6月9日(日)13:30-16:30

1.「秋田の風力発電への挑戦(植民地からの脱却)」
質疑
地域外の企業が風力発電を設置し売電収入や利益を地域外に持ち出してしまうことを「植民地化」と表現した。
地元に吹く風は地元の財産。地元の利益になるように使うのが当然

2.「最近の温暖化エネルギー政策などの動き」
最近の温暖化とエネルギー政策の報告を受けて議論した。

3.次回日程
次回は7/13(土)13:30からwebで開催することを決めた。

CASA東京支部定例会議事録


日時:2024年4月28日(日)13:30-16:30

1.宮代町のGHG算定と今後の温暖化対策
埼玉県は全市町村排出量を埼玉県の研究所が発表している。
宮代町は2050年排出実質ゼロ宣言を昨年行った。温暖化対策実行計画区域施策編は未策定。
宮代町の排出量を使い、またその構造分析しながら、排出削減可能性を試算した。
町の計画・政策などについて質疑があった。

2.最近の温暖化・エネルギー政策の動き
最近の内外の政策、統計の報告を受けて議論した。

3.次回日程
5月は休会とし、6月9日(日)午後1:30からWEB開催することを決めた。

CASA東京支部定例会議事録


日時:2024年3月31日(日)13:30-16:30

1.REvision2024「世界は自然エネルギー3倍化へ進む」セッション1より
議論:

なぜ日本の企業は再エネ投資をしないのか。→再エネが得になるような政策を打てていないからではないか。
大手電力の寡占が響いている。投資できるのは送電会社だが、系統の強化、系統を細かく使って制御する考えがないのではないか。
このシンポジウムでわかることは技術的にできるということ。
再エネには技術でなく制度で多くの制約がある。再エネ電力を新設した際の送電線接続優先ルールはドイツのように明確ではない。また送電線につながっている再エネ電力について、東京電力管内でも「出力抑制」が始まる見込みと伝えられるが、このルールについて日本でも優先給電(原子力・水力・地熱が優先度一位、太陽光と風力が二位、火力は最後)のはずが火力発電の出力抑制はばらばら、地域間連系線も前日に入札され当日流せる再エネ電力は限定、九州と中国電力をむすぶ関門連系線では再エネを流せる量を制限している。
日本では技術力があるのに使えていない。
再エネが増えないことは企業の生き残りや国際競争力に大きく影響。国際的サプライチェーンから排除される可能性がある。企業は自衛策として工場を再エネを安価に得られる国へ移転する可能性があり、再エネを小さいままにすること自体が日本の雇用・地域経済に大きなマイナスになる。
日本では太陽光だけでなく電気自動車でも似た傾向がある。
政策転換は政治の役割。

2.最近の温暖化エネルギー政策などの動き
最近の温暖化エネルギーの動き、政策の動きなどについて議論した。

3.次回日程
次回は4月28日(日)午後1:30からweb開催することを決めた。


CASA東京支部定例会議事録

日時:2024年2月18日(日)13:30-16:30

1.「洋上風力の基礎情報 世界と日本の現状(自然エネルギー財団)」
質疑
漁業者との調整について。沿岸の近くは調整があるとして、離れると問題はなくなる?
魚礁になるという報告がある。
浮体式は深海でできないのか。
→流されないように係留する必要があるので、余り深いと難しいのでは?

2.「最近の温暖化エネルギー政策などの動き」
政策の動きの報告を聞き議論した。

3.次回日程
3/31(日)午後1時半より、WEBで開催することを決めた。

CASA東京支部定例会議事録

日時:2024年1月21日(日)13:30-16:30

1.SDGsの目で見た食品ロス問題
日本の食品ロス、食品廃棄物の大きさ(世界の食糧支援量に匹敵)、SDGsとの関
係、対策などの報告をもとに議論した。

2.最近のエネルギー温暖化政策の動き
能登半島地震、2022年エネルギー需給・温室効果ガス速報、建築省エネ性能表示制
度、水素アンモニア政策など、最近の政策をもとに議論した。

3.次回日程
次回は2月18日(日)午後1時半からWEB開催することを決めた。

日時:2023年12月24日(日)13:30-16:30

1.今年の異常な太陽光発電量
今年は通常なら高温のため発電量の低下する夏に、昨年までと比較して発電量が非常に大きいことが報告された。
また、今年夏の海水温の上昇が昨年までと比較して非常に大きいことが報告された。

質疑
太陽熱温水器で取得熱量を計測している。2023年は他の年度に比較しとくに多くない。
太陽熱温水器の場合は風があると表面温度が上がらないのでは?→真空管式なので風はあまり影響しないと思う。
日射量・日照時間は? 調べた人によると、今年の日照時間は昨年までに比較してそんなに大きくない。
レジームシフトという言葉を使っている。今年は異常。
(ティッピングポイントを超えると、レジームシフトが起きる)

2.最近のエネルギー・温暖化政策の動き
最近の温暖化政策の報告をもとに議論した。

3. 次回日程
次回研究会を、1月21日(日)午後1時半よりzoom会議で行うことを決めた。

日時:2023年11月5日(日)13:30-16:30

1.人新世の資本論について
斎藤幸平先生(大阪市大→東大)の「人新世の資本論」の解説のYouTubeを見た上 で議論を行った。以下並列に記述。

資本主義社会でも、モントリオール議定書のような規制が有効。国際的に決めたこ とをみんなで実行する。それは資本主義下でもできる。社会資本を共通にすることま でできるか。  コモンだけは、商品にすることなく、自分たちで管理する。

電気だけは自分で管理し実践している。  ドイツの都市公社などは、地域の資源は民間に任せずに地域で管理しようと、それ に近いことをやろうとしているのではないか。→ 一時期民営化していたものを1990 年台くらいから再公有化をしている。

「人新世の資本論」では気温上昇目標、排出量総量管理や排出総量削減、原単位削 減のことが書かれず、経済成長管理がないことを批判する観点からSDGS批判、再エネ 批判、電気自動車批判、グリーンニューディール批判などがある。経済成長を止めた ら排出が自動的にゼロに なることはない、原単位を改善させるイメージや具体的提案もないとの批判がされて いる(注:対策の専門家ではないので仕方がないかもしれない)。

むかしはインフラや社会資本をコモンズで管理していたので昔に戻すことか。資本 主義がいきすぎている問題意識がある。いきなり理想的にはいかないが、自治体、市 民が管理し自分達でお金を回していく。  自給自足の時代の社会資本と今の社会資本は違う。企業が利潤だけ追求するから環 境がこわれるのだが、国際的な規制、国の規制、地域的な規制で環境保全できる。

2.最近の温暖化・エネルギーの動き
最近の温暖化・エネルギー政策の動きの報告を受け、議論した。

電気自動車の英国の導入規制延期(これは逆行)と導入率の高い国の状況、EUのフ ロン規制強化の欧州委員会と欧州議会の政策合意でモントリオール議定書キガリ改定 の厳しい生産規制目標を踏まえ前倒ししてエアコンなどの機器規制などを進める政 策、などを受け、進んでい る国は国際規制を守ろうとしているとの意見があった。

3.次回日程
次回は12月24日(日)13:30からインターネットで開催することを決めた。

CASA東京支部定例会議事録

日時:2023年10月14日(土)13:30-16:30

1. 2023年7,8月の世界的な異常気象と、気候のレジーム・シフトの危惧
世界で観測開始以降平均気温が最大を記録した、今年7月、8月の世界の異常気象、その分析について報告いただき議論した。

2. 最近の温暖化エネルギー政策などの動き
最近の温暖化政策、エネルギー政策の動きの報告を受けて議論した。

3.次回日程
次回は11/5(日)午後1時半よりWEB会議でで開催することを決めた。

CASA東京支部2023年9月定例会議事録

日時:2023年9月17日(日)13:30-16:30

1.ペロブスカイト太陽電池って何?
シリコンは直接日光があたらないと発電しないのに対し、ペロブスカイトは間接でも発電する。角度が垂直でも、建物周り全体に設置するようなことができる。
有機系、ペロブスカイトと呼ばれる結晶構造を持つ化合物を用いる太陽電池。
(「エネコートテクノロジーズ社」(京大ベンチャー)が説明資料作成)
層の厚さが0.5μmでシリコンの数十μmの百分の1程度。
特徴、薄くて軽くてやわらかく曲げられ、フィルム化が可能。
弱い光で発電できる。
変換効率が急に向上、25%以上。
開発は、結晶の物理の世界から化学の世界に変わった。
課題がある。耐久寿命が現状で10-15年。耐熱性にも問題がある。
材料に鉛を使っている。使用済みのものを回収する仕組みが必要である。

質疑
Q:どういうメカニズムか。
A:しくみ自体はペロブスカイトもシリコンも同じ。
Q:水分に弱い?
A:シリコンよりは防水をしないといけない。
Q:生産は中国などが生産し実用化。日本の事業は?
A:中国で量産しているのはシリコンと同じようなガラスに貼り付ける構造。
日本ではフィルム化をすすめるとよい。日本で開発しているのはフィルムメーカー。構造は中期で崩れる。
長寿命のものを開発するか、寿命は10-15年でいいので交換しやすくするものを開発するかに分かれているようだ。印刷方式で安くできるならかなり変わる。
材料のヨウ素や鉛は日本で材料を調達できる。

2.最近の温暖化・エネルギー政策の動き
最近のエネルギー・温暖化政策について報告を受けて議論した。

3.次回日程
次回は10月14日(土)午後1時半からインターネット会議で開催することを決めた。


CASA東京支部2023年8月定例会議事録

日時:2023年8月20日(日)13:30-16:30

1.最近の温暖化エネルギーの動き
最近の温暖化・エネルギーの動き、政策の動きの報告を受け議論した。

2.太陽光リユース・リサイクル
技術的には確立している。
リサイクルの前にリユースの段階があるはず。
過去にリユースを実施した。ほとんど劣化していないパネルを提供した。
提供の際にこわれたものは?→現場で簡易検査しリユース、こわれているものはリサイクル。
こわれたところはわからないか?→簡単にわかるものとわからないものがある。はんだ不良で熱を持っていればわかる。

3.次回
次回は9/17(日)午後1:30よりオンラインで実施することを決めた。

CASA東京支部2023年7月定例会議事録

日時:2023年7月17日(月・祝)13:30-16:30

1.モントリオール議定書に学ぼう
モントリオール議定書でオゾン層を破壊するフロン類の生産規制を実施、段階的に強化。オゾン層が回復傾向になっている。

質疑
フロン類について、先進国で多く使用していることが対策が取りやすかった理由になるか。
→CO2ももともと先進国の方が排出が多い。温室効果ガスの制度の方では、軍事の排出がカウント外であるなど、排出削減の制度に問題が多い。オゾン層を破壊しない代替フロンの開発があった。ただし温室効果ガスである。

オゾン層を破壊しないフロン類のうちHFCについてモントリオール議定書の対象になり(キガリ改正)、生産規制の対象になった。先進国は2029年に2011~13年比(各年のHFC生産・消費量の平均+HCFCの基準値×15%)で70%削減、2034年に80%削減、2036年に85%削減。

2.最近の温暖化エネルギー政策などの動き
最近の温暖化とエネルギーの動きの報告を受け、議論した。

3.次回日程
次回は8月20日(日)13:30からインターネットで開催することを決めた。

CASA東京支部2023年6月定例会議事録

日時 2023年6月11日(日)13:30-16:30

1.牛山泉足利工大元学長の「風力エネルギーの現状」の講演から

質疑
資料にある北海道の風力のポテンシャルが小さいのではないか? →北海道の送電網は大消費地と大型発電所のある札幌近辺が中心で、陸上風力の適地に細い送電線しかない。これが影響している可能性がある。
福島沖で浮体式風力3基建設したがどうなったのか→最大の7MWのものが予定した設備利用率を大幅に下回り、撤去されている。長崎県五島市の浮体式は実証実験が良好で建設が進められている。実証実験なのでうまくいかないことがあるのも仕方が無いのではないか。
日本は風力発電の雷被害があるとの指摘があった(注:特に日本海側は世界有数の雷地帯)。
大型風力ではなく小型風力をつくった方がいいとの意見があった。
2.最近の政策について
電気自動車普及率、再生可能エネルギー電力出力抑制が中部電力・関西電力エリアまで拡大、出力抑制を小さくするための対策・火力の最低出力低下対策などについて報告を受けて話し合った。

3.次回日程
7月17日(月・祝)午後1:30からwebで開催することを決めた。

以上です。

下記は、定例会の討議ではありませんが、理解を深めるため補足します。
雷対策はNEDOのガイドラインなどが作成された(牛山先生が委員長)。その後も風力エネルギー学会などで雷対策が専門の学者や大手風力発電会社の専門家も参加し発表・討議も行われている(風力エネルギー学会では初期の自治体などの小型風力発電が運転開始20年で廃止されたものが多いこと、一部は故障で廃止されたとの報告もあった)。
陸上風力(日本海側の立地が多い)の設備利用率は、2012年設置のものは18.7%と低いが、その後風力発電機の大型化でナセル位置が高くなり風速も上がるなどして2013年以降設置のものは向上、2019~2021年設置の風力発電機の2019~2021年度運転平均で30.1%に向上した(調達価格等算定委員会の2023年度むけ報告の値)。(雷対策、強風対策のガイドラインもでき、またそれ以前の問題として損害保険もかけずに雷被害や台風被害を受けてそのまま停止するような初歩的ミスもなくなるかごく少なくなった。)
小型風力は小型区分(高い買取価格)が廃止され、新設が減った(注:廃止の理由は価格低下の展望がないからというもの。技術の問題というよりも制度の課題)。なお、秋田県男鹿市に合計4127kW(213基)、北海道松前町に2027kW(106基)の小型風車があり(大半が域外、松前の場合多くは東京都千代田区、港区、新宿区、渋谷区などに本社のある会社。資産家向けに売ったと推定される)。男鹿市、松前町ともに乱開発防止を意識した小型風車のガイドラインを制定した。(集中は他にも北海道根室市、羽幌町、上ノ国町、青森県深浦町、大間町など。これも技術の問題よりも制度の問題)

CASA東京支部2023年5月定例会議事録

日時:2023年5月21日(日)13:30-16:30

1. 紙芝居「おばあちゃんちが大変だ!!~あーすくんとの約束~」
絵本の専門家と協力し神奈川県地球温暖化防止活動推進センターで作成。
この紙芝居(登場人物により声を変え実演いただいた)を見て感想を述べ話し合っ
た。

2.最近の温暖化エネルギー政策
G7広島サミット合意や最近の政策、排出量の統計などの報告を受け、話し合った。

3.次回日程
次回は6月11日(日)午後1時30分よりオンラインで開催することを決めた。

CASA東京支部2023年4月定例会議事録

日時:4月16日(日)13:30-16:45

1.K市の温室効果ガス削減目標の設定事例
目標の決め方については緻密な部類でまた追加削減対策についても示して2030年に2013年比50%削減にしている。国の部門別の削減目標をただあてはめただけで全体削減目標が国全体より低い自治体もある。なお追加削減の根拠は明確ではない。電力排出係数は国の計画の0.25kg-CO2/kWhでなくトレンドを用いている。自治体独自政策については、市町村で強い政策は難しいことを考慮しても曖昧な自治体が多い。
部門別目標について。国も横浜市もそうだが、このK市でも削減率で一番高いのは家庭部門、次が業務部門、工場が一番低い。家庭に削減対策を押しつけている。(家庭と業務は、電気の排出係数改善による削減分があるとしても、他部門に比較して活動量が増加しており不利な面もある。安易に押しつけられている面がある)

2.最近の温暖化エネルギー政策などの動き
IPCC第6次統合報告書では2030年に1.5℃抑制の炭素予算を排出量が超えてしまう可能性もあらためて示された。1.5℃抑制のため2035年に必要な削減率(温室効果ガスで2035年に2019年比60%削減、CO2で65%削減)が出された。国内NGOで2035年の電力のシナリオ報告が発表された。近く、気候変動枠組条約でも2035年目標通報が求められる。
2023年度電力供給計画が広域的運営推進機関から発表されたが、2032年の各社計画のとりまとめ集計でもエネルギー基本計画や地球温暖化対策計画について未達成どころかほぼ現状延長になっている。中部電力管内で大都市3電力で初めて4/8に再エネ電力出力抑制が実施された。これを左右する火力発電の最低出力について、出力抑制の多い九州電力で自社火力はそれなりに絞っているのに対し九州電力管内にある電源開発の石炭火力についてその2-3倍の出力(設備容量に対する最低出力割合。九電石炭火力の最低出力が16%で止めている石炭火発もあるのに他社が50%近くなど)など甘い運用がある。出力抑制に関し、抑制に際し中央制御の出力抑制機器が普及せず送電会社が電話をかけて対応していることに関し、実は新しい機器は家庭用といえども出力制御機能が組み込まれているのに使っていない(家庭用は対象外だが10kW以上についても)。

3.次回日程
次回は5月21日(日)午後1:30からインターネットで開催することを決めた。


★ 2017年4月~2023年3月の定例会

★ 2017年3月以前の定例会

★ 定例会アウトプット例
・2014.02「欧州の風力発電から学ぶ ~日本は10年以上遅れをとっている~」

★ 会員の『環境先進国デンマーク視察報告』
その1 「デンマークはどんな国?」
その2 「世界一の風力発電シェア」
その3 「エネルギー自給をめざすサムソ島」
その4 「バイオガス/ゴミのコージェネ発電」

その5 「デンマークのゴミ処理、リサイクルセンター
その6 「使い捨てのカンより何回も使えるビン
その7  「石油よりも木の燃料」
その8 「デンマークはなぜ成功したか?」