CASA年表・歩み2011年
11月 | シンポジウム「COP17/CMP7に向けて」 学習会 「環境とエネルギーのこれからを考える」 COP17(南アフリカ共和国 ダーバン) |
9月 | 第19期地球環境大学 第3回講座 |
8月 | 第19期地球環境大学 課外講座 |
7月 | 第19期地球環境大学 第2回講座 シンポジウム「原子力発電に頼らない低炭素社会のシナリオ-福島原子力発電所事故と25% 削減-」(東京) 南さつま市での市民風車建設の勉強会・説明会 |
6月 | 「CASA2020モデルVer.3」発表 第19期地球環境大学 第1回講座 第11期通常総会 |
5月 | 温暖化防止ネットワーク関西学習会「福島第一原子力発電所事故について」 シンポジウム 「原子力発電に頼らない低炭素社会のシナリオ-福島原子力発電所事故と25% 削減-」(大阪) |
4月 | CD-ROM版資料集2011「地球温暖化」発売 「オール電化は環境にいいの?」パンフレッ ト販売 |
3月 | 福島第一原発事故 「CASA2020モデルVer.2」発表 |
東京電力福島第一原子力発電所事故
3月11日午後2時46分、東日本を襲ったマグニチュード9.0の地震と津波は、死者・行方不明者が23,571人(2011年6月6日現在)という未曾有の被害をもたらしただけでなく、福島第一原子力発電所の6機の原子炉のうち1~4号機が全電源喪失により冷却機能を失い、運転中であった1~3号機が炉心溶融(メルトダウン)となる世界史的な原発事故を引き起こしました。原子力発電所の事故・故障の評価尺度で、チェルノブイリと並ぶ一番深刻なレベル7の事故です。事故から7年が経過しましたが、未だに原子炉内部の状況は把握できておらず、廃炉を含めて、汚染水問題など、事故収束のめどはたっていません。
福島第一原発炉心溶融事故-その概要と安全性-
5月14日(土)、原子炉の格納容器の設計を行っていた後藤政志氏を招いて「福島第一原子力発電所事故について」の学習会を開催しました。
事故の経緯
地震で外部電源を喪失し、津波で非常用ディーゼル発電機や配電盤が作動不能となり、冷却機能を失い、稼働中の1~3号機はメルトダウン(炉心溶融)を起こした。また。炉心損傷により発生した水素が爆発し、1、3、4号機は建屋を損壊した。
過酷事故対策
格納容器は放射能を閉じ込める最後の砦と言われ、これが壊れると大変なので、それを防ぐためにベントが設けられている。上方のドライウェルベントでは炉心の放射能がそのまま出ていく。
福島原発ではドライウェルベントを行うことで、より大量の放射性物質が放出された。
使用済み燃料プールの問題
地震でプールの水がかなりこぼれたとみられる。これからも冷却を続けないといけない。各機は多数の燃料棒を収容しており、中でも4号機は特に多い。
「安全神話」の崩壊
「止める」、「冷やす」、「閉じ込める」のが原子力事故対応の基本である。今回、「止める」ことはできたが、「冷やす」、「閉じ込める」ことは失敗した。「安全神話」の崩壊である。
福島原発事故はなぜ起きたか
地震や津波の規模想定が甘かった。そもそも原子力発電は、大量の放射性物質があることが前提で、圧力や温度をコントロールできないと過酷事故につながる。
常に「想定外」はあり、チェルノブイリやスリーマイル島事故のように人為的ミスによる事故も考えられる。全ての要因に対応することは不可能であり、絶対安全はあり得ない。
事故はまだ収束していない
事故は収束しておらず、炉心と使用済み燃料プールの冷却を続けねばならない。また現在も周囲の大気・地盤・地下・海に放射性物質を出し続けている。
「原子力発電に頼らない低炭素社会のシナリオ?福島原子力発電所事故と25%削減」シンポジウムの開催
5月28日(土)に大阪、7月31日(日)東京で「原子力発電に頼らない低炭素社会のシナリオ?福島原子力発電所事故と25%削減」シンポジウムを開催しました。
大阪会場では、原子力資料情報室の山口幸夫さんから「福島原発で何がおこっているのか」、立命館大学の大島堅一さんから「何が福島原発事故を引き起こしたのか」、島根大学の上園昌武さんから「原子力発電に頼らずに25%削減は可能-CASA2020モデルの検討-」について報告がありました。
東京会場では、原子炉の格納容器の設計を行っていた後藤政志さんから「原発をどうすべきか~設計者の立場から~」、島根大学の上園昌武さんから「CASA2020モデル」の検討結果が報告されました。
「CASA2020モデル」での検討では、原発を30年で廃炉にするモデルで、省エネ、再生可能エネルギー化、石炭・石油の天然ガス化を推進することにより、GDPを増やしながら、2020年にCO2を25%削減でき、年間33.1兆円の経済波及効果があり、180万人の雇用増を生み出すことができるとの結果になっています。
CD-ROM版資料集2011「地球温暖化」
2008年版、2009年版に続き、「地球温暖化」資料集の2011年版を作成しました。2011年版は、福島原子力発電所事故の項目も入った「原子力発電」と「温暖化懐疑論」を特集し、全263項目の資料集になっています。