気候変動対策・エネルギー政策について政党アンケート結果報告

        2024.10.23 NPO法人地球環境市民会議(CASA)

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 衆議院議員選挙が始まり27日には投開票が行われます。

 今年の夏も記録的な猛暑でした。2024年も平均気温は過去最高を更新すると言われています。温暖化対策は喫緊の課題です。現在、第7次エネルギー基本計画案が議論されていますが、2050年までに温室効果ガスの排出実質ゼロをどのように実現していくのか、どのように脱炭素社会をめざすのかは、極めて重要な問題であり、国会でしっかりと議論を行い、政策を決定し実行していくべきだと思います。

 CASAでは、政党に「脱炭素社会の実現、温暖化防止対策、原発・エネルギー問題」についての政策アンケートを実施し回答をいただきました。その結果を報告します。ぜひ、投票の際の判断の参考にしていただければと思います(掲載順は提出いただいた順にしています)。

回答をいただいた政党(回答の到着順)

国民民主党、自民党本部政務調査会(以下表記は自民党)、日本共産党大阪府委員会(共産党)、公明党大阪府本部(公明党)、日本維新の会(維新の会)、れいわ新選組(れいわ)、社会民主党全国連合(社民党)、立憲民主党大阪府総支部連合会(立憲)

22日現在回答をいただいていない党 、参政党、日本保守党、みんなでつくる党

NHKから国民を守る党からは、候補者を擁立しないとの連絡がありました。

質問1「2050年までの脱炭素社会の実現」について

地球温暖化対策推進法の一部を改正する法律が国会で可決され、「2050年までの脱炭素社会の実現」が基本理念として明確に位置付けられました。貴党の「2050年までの脱炭素社会の実現」に向けての政策をご教示ください。

(回答)

国民民主党2050年カーボン・ニュートラル社会の実現や「パリ協定」の推進に政策を総動員します。カーボン・ニュートラルを長期的、計画的に促進するためグリーンイノベーション基金事業を見直し「DCN基金」(仮称)を創設します。民間におけるデジタル、環境分野への投資を加速するため、取得額以上の減価償却を認める「ハイパー償却税制」を導入するとともに、価格転嫁の促進を図ります。カーボン・ニュートラルの実現に向けて、過度な負担により産業競争力を低下させることを避けつつ、あらゆる部門(エネルギー・製造・運輸・民生)における省エネ化や電化の促進をはじめとする技術革新と社会実装によるイノベーションを推進します。
自民党2050年までのカーボンニュートラルの実現を目指し、国内外での地球温暖化対策を加速させるための施策を推進します。 国内では、化石燃料中心の経済・社会、産業構造をクリーンエネルギー中心に移行させる変革を実行します。具体的には、徹底した省エネ、再エネの最大限の導入、原子力の活用等脱炭素効果の高い電源を最大限活用します。また、今後10年で150兆円超の官民投資を引き出すなど持続可能で強靭な社会経済システムへの転換を進めます。 国際的には、二国間クレジット制度の実施体制を強化し、パートナー国の更なる拡大や国際金融機関との連携等を通じ、我が国の優れた脱炭素技術を活用するなど世界全体の排出削減に貢献します。
共産党2021年9月「気候危機を打開する2030戦略」を発表し、2030年度までにCO2を50~60%削減、それを踏まえ2050年には再生可能エネルギーへの置き換えで実質ゼロの実現を提案しました。気候危機打開は、地球規模、全人類的課題です。日本国民にとっても、猛暑や豪雨災害が頻発し、農業や水産業にも大きな被害を与えるなど待ったなしの課題です。  ところが、日本はG7の中で唯一、石炭火力からの撤退期限を示さず、世界有数の地震国・津波国なのに原発稼働を無謀にもすすめています。さらに、石炭火力と原発を維持するために再生可能エネルギーの電力を捨てています。すみやかに原発ゼロ、石炭火力からの計画的撤退をすすめ、脱炭素社会の実現をめざします。
公明党未来の担い手たちに希望あふれる地球環境を引き継ぐためにも、世界規模での脱炭素化に向けた取り組みの強化が不可欠です。「2050年カーボンニュートラル」達成へ、地域、暮らし、産業の脱炭素化を加速化させ、気候変動対策等に取り組みます。地域の脱炭素化を推進するため、「GX経済移行債」も活用し、自治体への大規模かつ安定的な財政措置を実施します。特に、「脱炭素先行地域」の100カ所以上の創出や、太陽光発電設備、ZEB・ZEH、EV 等の導入促進を図る重点対策加速化事業を支援する「地域脱炭素推進交付金」の引き続きの大幅な拡充に取り組みます。また、脱炭素化支援機構の活用による官民一体での様々な脱炭素事業に対する投融資を促進します。
維新の会2050 年カーボンニュートラル、2030 年温室効果ガス46%削減目標に向けて、過度な負 担が産業流出を招かないよう十分に配慮しつつ、新たな投資を呼び込み、目標達成に不可 欠な技術革新と雇用創出を実現する。カーボンプライシングは、炭素税だけでなく排出権 取引などのあり方を検討し、政府が準備しているGXリーグにおいても、国際的視野や市 場原理活用の観点に基づいた排出量削減のためのルール策定をめざす。グリーンエネルギ ーを推進するため、より一層の規制改革や投資促進制度を導入するなど、経済成長と脱炭 素社会実現を両立させる。全府省庁横断で戦略的に移行推進し、企業・自治体・国民の声 を的確に反映できる体制とする。
れいわ政府は「2050 年までの脱炭素社会の実現」を理由に、原発の利用を打ち出していますが、 私たちは「脱原発!グリーン・ニューディール」の実現を呼びかける。原発を即時禁止した上で、2050 年までに自然エネルギー(再生可能エネルギー)100%、温室効果ガス排出ゼロを目指します。
社民党2030年までに2013年比で温室効果ガス排出を60%削減、2050年までに100%削減を目標にしています。そして、電源構成を2030年までに原子力発電と石炭火力発電をゼロ、再生可能エネルギーを50%、2050年までに再生可能エネルギー100%を目標として、2050年までの脱炭素化社会実現をめざしていきます。
立憲気候変動は人類存亡につながる人類共通かつ最大の脅威であり、その影響はこれまでにない厳しい気象現象や自然環境へのダメージなどの形で顕在化し、気象危機といわれる時代を迎えています。将来世代への責任を果たすため、あらゆる施策を総動員し、気候危機からの脱却を実現します。気候危機対策を強力に推進し、2030年の再生可能エネルギーによる発電割合50%及び2050年100%を目指し、2050年までのできる限り早い時期に化石燃料にも原子力発電にも依存しないカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)達成を目指します。

質問2温室効果ガス排出削減目標

 現在の温室効果ガスの削減目標は、2030年度の排出量を2013年度比で、46%削減することとし、さらに50%の高みに向けて挑戦を続けるとなっています。昨年のCOP28決定では、1.5℃目標の達成のためには、2019年比で2030年までに約43%、2035 年までに約 60%削減することが確認されました。また、2025年2月までに、2035年削減目標の提出が求められています。貴党の2035年削減目標についてのお考えをご教示ください。

(回答)

国民民主党国民生活や経済の安定と成長を犠牲にすることなく、2050年までにカーボン・ニュートラル社会の実現を果たさなければなりません。そのためには、あらゆる分野(エネルギー・製造・運輸・民生)における政策の再構築が不可欠であり、省エネ化や電化の促進をはじめとする技術革新と社会実装によるイノベーションを推進します。また、既存設備の改良 や更新などによる廃棄物の発生、希少資源の過剰採取などによって環境との調和が乱れないような配慮も重要であり、私たちは、実現をめざす中で「ライフサイクルアセスメント」の考え方も重視します。
自民党気候変動問題の解決は喫緊の課題であり、設問にある現在の目標に向け、脱炭素化に向けた施策を着実に推進します。 昨年開催されたCOP28において、1.5℃の気温上昇の維持には世界で2035年までに温室効果ガスを60%削減する必要性等が確認されたことを踏まえ、2025年2月の国連への提出期限に向けて日本の目標策定の踏み込んだ議論を行い、引き続き脱炭素社会を実現する取り組みを推進します。
共産党COP28で日本も合意した温室効果ガスの排出削減目標をふまえた2035年を期限とする目標の提出を日本政府が確実に行うよう求めます。日本が国連に報告ずみの2030年度までの削減目標(2013年度比46%)では、COP28で合意(2019年度比43%減)した削減目標の水準に到達しません。日本共産党は「2030戦略」で提起した目標や政策の実現に取り組むとともに、2013年度比で温室効果ガスの排出を75%から最大80%削減(2019年度比71~77%減)するようめざします。
公明党公明党は環境政策に一貫して取り組み、環境庁から環境省への昇格をはじめ、環境基本法の制定をリード。2021年に決定された現行の地球温暖化対策計画には削減目標の明記とともに企業や自治体が取り組む具体的方策が盛り込まれています。気候変動対策は一刻の猶予も許されず、今後10年の取り組みが最も重要。2035年までの削減目標の設定については「エネルギー基本計画」の改定と並行して丁寧かつ積極的な議論が必要と考えます。
維新の会2035 年の目標値については絵に書いた餅ではなく2030 年の46%を着実に達成した上で 設定すべきと考える。今後生成AI の急速な普及によって電力需要の大幅な伸びが見込まれ、電源構成の変革が必要である。環境負荷の低い再生可能エネルギーを一層推進し、再エネ大量導入を目的としたプッシュ型系統整備の加速、「再給電方式」における再エネ活用の優先ルールの策定などの送配電網整備の含めた規制改革と技術革新を進める。
れいわ2030年までの目標として、石炭火力は全廃し、発電量に占める自然エネルギーの比率を50%まで高めることを目指すべき。
社民党社民党はもとより温室効果ガス排出量を2030年までに2013年度比で60%削減を目標としています。COP28決定に基づき2035年までに2019年比で60%以上の削減を目標とするべきだと考えます。
立憲 COP28での合意である13年度比66%減を日本が目標とすべき最低限の数値にすることは前提として、現在停滞している洋上風力発電の開発といった技術革新や、第三世界に対して効率の良い発電を援助することによる「削減」も組み合わせ、技術立国かつ環境先進国と呼ばれるに足る数字をさらに上乗せできるように、市民との対話や、財界からの協力を得られるように努力する。

質問3石炭火力発電について

 COP28では、「排出削減対策が講じられていない石炭火力発電の段階的削減に向けた努力を加速する」ことが合意され、4月に開催されたG7気候・エネルギー・環境大臣会合では、「1.5℃目標達成のためには、排出削減対策が講じられていない石炭は先進国では2030年代にフェーズアウトすること」が、合意されています。政府は、水素・アンモニア混焼、CCSの利用により、石炭火力の脱炭素化をはかるとしていますが、貴党の見解を下記選択肢から選び、その理由をご教示ください。

① 石炭火力発電は、安定供給に貢献する電源として必要であり、この政策に基づいて具体化をはかる。

② 石炭火力発電は安定供給に貢献する電源として必要。ただし、将来は、廃止すべき。

③ CO2を排出する石炭火力発電は2035年までには、全廃にすべき。

④ CO2を排出する石炭火力発電は2050年までには、全廃にすべき。

⑤ その他(                       )

(回答)

国民民主党自民党共産党公明党維新の会れいわ社民党立憲
石炭火力⑤ その他⑤ その他⑤ その他⑤ その他② 将来廃止⑤ その他③ 35年全廃⑤ その他

(理由)

国民民主党安定供給の要である火力発電は高効率化し活用。 国民の暮らしや経済を守るため、エネルギー安全保障を重視し、輸入に頼らない安定した安価なエネルギーの確保に向け、盤石なエネルギー供給体制を実現するため。
自民党火力発電は、再生可能エネルギーの変動性を補う調整力、供給力として適切な電源ポートフォリオを構築します。火力発電所の次世代化、高効率化、水素・アンモニアの混焼やCCUS、カーボンリサイクル等による火力の脱炭素化に向けた取組を加速度的に推進します。
共産党2030年までに全廃すべき  日本共産党は「2030戦略」で、化石燃料から再生可能エネルギーへの大転換をすすめ、2030年に石炭火力の発電量をゼロとすることを掲げています。国連が繰り返し「先進国は2030年までに石炭火力を段階的に廃止を」と求めたのに、日本はG7で唯一、石炭火力からの撤退期限を示していません。大型石炭火力の建設を続け、温室効果ガス排出の「実質ゼロ」を達成するとした2050年にむけても石炭火力を残す考えを持つなど政府の姿勢は大問題です。
公明党温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の目標達成には、石炭火力発電の減少が不可欠です。その具体的な取り組みとして、燃焼時に二酸化炭素(CO₂)を排出しないアンモニアのみを燃料とした発電技術の実現に向けて、CO₂が多く排出される石炭火力発電所において、アンモニアとの混焼を促進します。
維新の会CC(U)S や石炭ガス火力発電など、環境負荷が低くエネルギー安全保障に有効な火力発電 の技術開発を推進しながら、脱化石エネルギーの観点から将来の有力なエネルギー源とし て期待される水素等の活用や研究開発に積極的に取り組む。
れいわCO2排出量の多い石炭火力発電所の新設は禁止し、2030年までに石炭・石油火力発電所の運転を終了する。
社民党2030年までに石炭火力発電をゼロにするべきです。昨年には横須賀市で石炭火力発電所が新たに2機も稼働しました。今後も石炭火力発電所の新規建設が計画されています。石炭火力発電所の廃止を進めるべきです。
立憲化石燃料については、CO2の排出の比較的少ないLNG火力を中心に、再生可能エネルギーへの移行期を支える主力のエネルギーとして活用します。国として必要な設備投資・運転資金を支援します。

質問4原子力発電について

 原子力発電は、GX推進戦略により再稼動、運転期間延長と廃炉が決まった原発敷地内の建替が進められようとしています。この政策についての貴党の見解を、下記選択肢から選び、その理由をご教示ください。

① 安全が確認された原子力発電を今後も活用していくとともに、電源の安定的な確保のため、原子力発電の増設を進める。

② 原子力発電の再稼動と運転期間の延長は認めるが、原発の新増設はすべきではない。

③ 原子力発電の再稼動のみ認める。

④ 原子力発電は再稼働を認めず、40年を経過した原子力発電は廃止する。

⑤ 原子力発電の再稼働を認めず、即時廃止とする。

⑥ その他(                                )

(回答)

国民民主党自民党共産党公明党維新の会れいわ社民党立憲
原子力① 増設⑥ その他⑤ 即時廃止⑥ その他⑥ その他⑤ 即時廃止⑤ 即時廃止⑥ その他

(理由)

国民民主党原子力発電はCO2を排出しないという観点から、CNに大きく寄与します。エネルギー価格高騰が叫ばれる中、資源価格の影響を受けにくく、出力が安定的であるという観点から、エネルギー安保にも大きく寄与します。以上のことから、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえ、安全確保を最優先としつつ、原子力発電を我が国の電力供給基盤における重要な選択肢と位置付け、当面の間は原子力発電を利用します。
自民党東京電力福島第一原子力発電所事故への真摯な反省を出発点に、国民の原子力発電に対する不安をしっかりと受け止め、二度と事故を起さない取組みを続けます。原子力規制委員会により厳しい安全性基準への適合が認められた原子力発電所については、立地自治体等関係者の理解と協力のもと再稼働を進めます。新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発・建設に取り組みます。
共産党原発なしでも電力不足にはならず、節電や再エネ導入がすすんだ結果、「稼働原発ゼロ」の2014年度以降、エネルギー起源の二酸化炭素排出量は減っています。日本社会は原発なしでも十分やっていけます。原発を再稼働させず、建設許可済みのものや計画中のものも含めて、新たな原発の建設は認めません。高速増殖炉「もんじゅ」の廃止し、新たな高速実証炉開発も中止し、再処理工場を廃止し、核燃料サイクルからただちに撤退します。
公明党原子力発電所の再稼働については、安全性確保に向けた取り組みやバックエンドに関する取り組みを進めることを大前提に、原子力規制委員会が策定した世界で最も厳しい水準の基準を満たした上で、地元の理解を得た原子炉の再稼働を認めます。その際、地域住民の不安を一掃するよう国が前面に立って自治体の避難計画の策定・充実化を支援。また、可能な限り原発依存度を低減しつつ、将来的に原子力発電に依存しない社会をめざします。
維新の会安全が確認された原発を再稼働させ、老朽原発は次世代革新炉に建て替える。 電力の安定供給に向け、原子力規制委員会の審査の効率性をも重視した業務推進を進め つつ、新規制基準の許可を得ている原子力発電所の早期再稼働を進める。東京電力福島第 一原発事故の教訓を踏まえ、既存原発の運転期間の延長や次世代革新炉への建て替えを行 うに際しては、国・地方自治体・事業者の責任を法的に明確化する。
れいわ地震国日本にとって、持続可能な経済の未来に、原発は不要である。直ちにこれを禁止する。実際のところ、2019年度実績で原発が供給したエネルギーは、電気の6.3%、一次エネルギー国内供給の2.9%に過ぎない。また、2014年には原発稼働ゼロでエネルギーをまかなった経験もある。原発を即時禁止しても、エネルギー供給には特段の問題はない。電力供給は主に天然ガス火力をつなぎとしながら、2050年までに自然エネルギー100%へと移行してゆく。
社民党昨年成立したGX脱炭素電源法では、脱炭素を口実に60年超老朽原発の稼働も可能としました。また、原発を稼働すれば放射性廃棄物(核のゴミ)も排出され、原発を廃止しても核のゴミは将来にわたって影響を及ぼします。 世界の地震の約1割が日本で起きているほどの、地震大国で原発を稼働することは不可能です。原発を即時廃止するべきです。
立憲原子力発電所の新設・増設は行わず、全ての原子力発電所の速やかな停止と廃炉決定を目指します。実効性のある避難計画の策定、地元合意がないままの原子力発電所の再稼働は認めません。

質問5再生可能エネルギーについて

 日本の再生可能エネルギーの電源構成は、2023年度で25.7%で、世界的には遅れています。2050年の脱炭素社会の実現にむけて、貴党の再生可能エネルギーについての政策をご教示ください。

(政策)

国民民主党再エネ賦課金の徴収を一定期間停止することで電気代を値下げします。共生・自立・分散型のエネルギーネットワークを構築し、再エネを中心としたマイクログリッドを含む自立・分散型エネルギー社会の構築をめざします。洋上風力、地熱の活用に注力するとともに、ジオエンジニアリングに取り組みます。蓄電システムを併設した太陽光発電システムによる電力コストを大幅に低減し得る自家消費型電源システムの普及促進を図ります。
自民党2050年カーボンニュートラル及び2030年目標に向けて、再生可能エネルギーの主力電源化を徹底し、再生可能エネルギーに最優先の原則で取り組み、国民負担の抑制を地域の共生を図りながら、最大限の導入を促します。また、系統用蓄電池の導入等による脱炭素化された調整力の確保や、全国大での地域間連系線の整備等に取り組むとともに、地域マイクログリッド構想を通じ、地域内の地産地消、レジリエンス強化や地域活性化に貢献します。
共産党環境省の調査で、再生可能エネルギーの潜在量は、現在の電力使用量の7倍です。しかし、政府のエネルギー基本計画では、2030年度の再生可能エネルギー電力の比率は36~38%にすぎず、現在のオーストラリア(36%)と同水準です。イギリス(46%)、ドイツ(52%)は、その先を行っています。こうした日本の後れは、石炭火力、原発にしがみつき、再生可能エネルギーの軽視が最大の要因です。再生可能エネルギーの優先利用の原則を確立します。
公明党再生可能エネルギーの最大限の導入拡大に取り組みます。ペロブスカイト太陽電池や浮体式洋上風力等の技術開発や社会実装の早期実現に向けた取り組み、サプライチェーン構築や人材育成、全国規模での系統整備、蓄電池の導入加速化等を進めます。太陽光の設置スペース拡大のため、住宅、工場、倉庫、空港、鉄道駅や公共施設など大胆な活用を進めます。また、再エネ促進区域等を充実・強化しながら、地域主導の再エネを促進します。
維新の会太陽光、風力、地熱、バイオマス等の再生可能エネルギーの導入については、障害とな る規制の見直しを不断なく行うとともに、地域社会がうるおう仕組みづくりを構築する。 洋上風力発電は、推進のための方針・ルール(EEZ 活用促進を含む)を明確化し、国が主 導して漁業権調整段階から関与するセントラル方式を導入する。地熱発電は、温泉法・自 然公園法の規制見直しや、泉源枯渇への補償対策などの促進策を早急に整備する。
れいわ温室効果ガス排出量は2030年までに70%削減し、2050年までのできるだけ早い時期にゼロにする。2030年までにエネルギー供給の70%を、再生可能エネルギーでまかなうことを目指す。そして2050年までのできるだけ早い時期に再生可能エネルギー100%を達成する。脱原発・脱炭素までは既存の火力発電所を活用し、段階的に廃止する。石炭火力発電所の新設を禁止し、2030年までに石炭・石油火力発電所の運転を終了する。暮らしの質を高めながらエネルギー利用効率を高め、2030年までにエネルギー消費量を40%削減し、2050 年までに60%削減することを目指す。
社民党脱炭素化実現のための火力発電所の廃止と原発廃止を進めながら、電源構成における再生可能エネルギーの割合を2030年までに50%、2050年までに100%を数値目標としています。
立憲2030年までに省エネ・再エネに200兆円(公的資金50兆円)を投入し、年間250万人の 雇用創出、年間50兆円の経済効果を実現します。 省エネルギーのさらなる推進と合わせて、日本の資源である再生可能エネルギーを最大限活用することで、年間20兆円を超える資源輸入の為の国富流出を止め、日本経済の成長につなげるとともに、再生可能エネルギー中心の災害に強い地域分散型エネルギー社会を実現します。

質問6水素・アンモニアの利用について

 政府は、水素・アンモニアについて、カーボンニュートラルの実現に向けた対策として、化石燃料との混焼など導入・拡大を進めています。水素・アンモニアの利用についての貴党のお考えをご教示ください。

(政策)

国民民主党2050年CN実現は、国家を挙げて取り組む目標です。単なる環境政策に留まらず、新たな経済市場における国際競争であるとの認識の下、水素・アンモニアの利活用を推進し、水素社会の実現に取り組むことが不可欠と考えます。加えて新たな市場を創出していく上で、新しいルールが必要であり、世界標準化戦略に代表されるように、国際ルールの確立を主導していくことも含め、極めて戦略的に対応することが必要です。
自民党2050年カーボンニュートラル実現を見据えた上で、火力発電の次世代化、高効率化を推進しつつ、非効率な石炭火力のフェードアウトに着実に取り組むとともに、脱炭素型の火力発電への置き換えに向けた水素・アンモニア等の脱炭素燃料の混焼、CCUS/カーボンリサイクル等の火力発電からのCO2排出を削減する措置の促進に取り組んでいきます。
共産党政府の石炭火力の継続が前提での水素・アンモンニアを混焼する方針は問題があります。実現性が定かでないばかりか、アンモニアや水素を生成しようとすれば、原料を化石燃料に頼ることになり、CO₂フリーとはなりません。しかしたとえ、混ぜて燃やしても石炭を燃やす限り大量のCO₂を排出します。再生可能エネルギーの電力で水素を生成したとしても、エネルギーロスが生まれ、そのまま電力として利用した方が効率的です。
公明党カーボンニュートラルの実現に向けて、水素やアンモニアを活用して非化石燃料への転換を進めることは重要です。水素・アンモニアの国内外のサプライチェーンの構築を図るとともに、水素社会推進法に基づき、自立が見込める国産水素への最大限の支援や国内の拠点整備、新たな市場創出・利用拡大に向けた制度措置の在り方を検討し、規制・制度一体型の包括的な制度整備を進めます。特に、水素ステーションを戦略的に整備します。
維新の会水素等は、脱化石エネルギーの観点から将来の有力なエネルギー源として期待されるこ とから、その活用や研究開発に積極的に取り組む。石炭火力発電所におけるアンモニアと の混焼によってCO2 の排出削減が期待できることから、さらなる技術開発を進める。
れいわ国は、デメリットが未確定で環境や人体への影響が不確かな未確立の技術の開発を掲げて問題を先送りするべきではない。自然エネルギーや省エネルギーについては、メリット・デメリットなども明らかになっている実証された既存技術の普及をまずは最大限にはかるべきである。
社民党水素・アンモニアによる発電は既存の再生可能エネルギーに比べ費用が高く、商用化の 見通しも不透明です。また、アンモニアの混焼による発電は石炭火力発電の延命に過ぎません。既存の再生可能エネルギーの普及を急ぐべきです。
立憲水素については、グリーン水素(再生可能エネルギーにより製造される水素)を前提に、 大型バスやトラック、船舶などの燃料としての活用、メタネーション技術により作られる 燃料(e-fuel)の航空機燃料などへの活用を進めます。 グリーン水素から製造されるアンモニアについて、課題となるNOxの回収、製造コストの低減と発電に必要な量の確保に関する取り組みを支援します。

質問7衆議院選挙での公約の優先順位

  衆議院議員選挙での選挙公約の中での、温暖化対策、脱炭素社会に向けての政策の位置付け(優先順位)について、貴党のお考えをご教示ください。

(回答)

国民民主党2050 年カーボン・ニュートラル社会の実現や「パリ協定」の推進に向け、重要な政策の一つと位置づけ、徹底した省エネルギーと、電源の低・脱炭素化や電化の推進、運輸部門における電動車の普及促進(インフラ整備を含む)、蓄電池や CO2フリーの水素・合成燃料(バイオジェット・e-fuel 等)の開発・生産支援を行うなど、革新的なイノベーションとその社会実装を通じた大幅な CO2 削減をめざします。
自民党自民党は、脱炭素・エネルギー政策を政権公約の項目として位置づけ、「2050年までのカーボンニュートラルの実現とエネルギー安全保障の確保の両立を目指し、徹底した省エネ・再エネの最大限の導入、原子力の活用など脱炭素効果の高い電源を最大限活用」することを明記しています。
共産党日本共産党は総選挙にあたり“躍進で、自民党政治のゆがみを正す改革を”と題する総選挙政策を発表しました。自民党の裏金問題など腐敗政治を根本から正すこと、国民の暮らし優先の政治に切り替えること、戦争国家づくりをやめ外交の力で平和、ジェンダー平等など、とともに“気候危機打開へ-本気で取り組む政治”を柱にあげ「気候危機の打開は、地球規模、全人類的課題です」と位置づけています。
公明党公明党は結党以来、公害や大気汚染などの環境問題を政治課題に取り上げ、地道に施策を進めてきました。それは環境を守ることが国民の健康・命を守り、未来を守ることにつながるからです。今後も“環境の党”として使命を果たすべく施策を強力に進めます。衆議院選挙では、日本が直面する困難な課題を乗り越え、持続可能で活力あふれる日本を創るため、重点政策として地球温暖化対策・脱炭素社会に向けての政策を訴えてまいります。
維新の会地球環境保全の課題は、政党間で争うのではなく、党派を超えて全人類的視点で取り組む べきと考える。選挙争点での優先順位付けになじまないが、環境問題を含めたあらゆる政 策課題について、失われた国民の政治への信頼回復が不可欠であり、「政治とカネ」問題が 最大争点となる。
れいわれいわ新選組は今回の衆議院選挙に際して、原発即時禁止とエネルギーの国産化で、全国津々浦々に産業と雇用を」進めるための施策を提案している。地球温暖化対策と生物多様性保全は車の両輪であり、エネルギーの国産化は我が国の安全保障にも重要と考えている。
社民党社民党公約の「日本を立て直す社民党6つのプラン」の1つを温暖化対策、脱炭素社会に向けての政策としており、社民党では最優先の政策です。地球温暖化による気候危機は私たちのくらしと生命を脅かしています。温暖化対策と脱炭素化は待ったなしで進めていかなければなりません。
立憲公約においても、気候危機にある現状を認識し、2050年よりできる限り早期のカーボン ニュートラルを目指すため、省エネ、再エネを促進することはもちろん、気候変動対策推進のため、国民の意見を気候変動対策・エネルギー政策に反映させる仕組み(抽選による国民会議の設置=くじ引き民主主義)の創出や法律名の変更など、地球温暖化対策推進法を抜本的に見直すなど重症な課題として取り組んでいきます。

【アンケートの実施】

・アンケート用紙・フォームを配布(郵送もしくはメール)

・記入されたアンケート(データ)をメールにより回収

・実施者

 NPO法人地球環境市民会議(CASA)(担当:宮崎 学)

〒540-0026

 大阪市中央区内本町2丁目1―19―470

電話:06-6310-6301(平日10:30~16:30)

メール:office@casa1988.or.jp

声明・提言・主張の一覧

 月 日 

声明・提言・主張

テーマ

4月27日特定家庭用機器廃棄物の収集及び運搬並びに再商品化等に関する基本方針の骨子案に対する意見
4月7日特定家庭用機器再商品化法の再商品化等率等を定める政令等に関する意見
5月20日地球温暖化防止対策を推進するための政策と措置についての提言地球温暖化問題
10月30日地球温暖化国内対策に関するヒアリングに対する意見書 地球温暖化問題

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