第6次エネルギー基本計画
日本のエネルギー政策はエネルギー政策基本法に基づき、数年に1回、エネルギー基本計画が見直し・策定されます。現在は2021年に閣議決定された第6次エネルギー基本計画が執行されています。
第6次のエネルギー基本計画は、気候変動問題への対応と日本のエネルギー需給構造の抱える課題の克服の二つの視点を踏まえて策定され、2050年カーボンニュートラルに向けた長期展望と、それを踏まえた2030年に向けた政策対応により構成し、今後のエネルギー政策の進むべき道筋を示すこととし、エネルギー政策を進める上で、安全性(Safety)を前提とした上で、エネルギーの安定供給(Energy Security)を第一とし、経済効率性の向上(Economic Efficiency)による低コストでのエネルギー供給を実現し、同時に、環境への適合(Environment)を図る、S+3Eの視点を大原則としています。
大きなウエイトを占める電力部門では、それぞれの電源を
- 再生可能エネルギー 温室効果ガスを排出しない脱炭素エネルギー源であるとともに、国内で生産可能なことからエネルギー安全保障にも寄与できる有望かつ多様で、重要な国産エネルギー源である。S+3Eを大前提に、再生可能エネルギーの主力電源化を徹底し、再生可能エネルギーに最優先の原則で取り組み、国民負担の抑制と地域との共生を図りながら最大限の導入を促す。
- 原子力 再生可能エネルギーの拡大を図る中で、可能な限り原発依存度を低減する。安全性の確保を大前提に、長期的なエネルギー需給構造の安定性に寄与する重要なベースロード電源である。
- 化石エネルギー 現時点でエネルギー供給の大宗を担っており、今後も重要なエネルギー源である。一方で、脱炭素化の観点から対応が求められており、CCUS技術や合成燃料・合成メタンなどの脱炭素化の鍵を握る技術を確立し、コストを低減することを目指しながら活用していくと位置付けています。
そして、2030年の電源構成を、以下のように計画しています。
再生可能エネルギーを最大限の導入としながらも2030年は36~36%と低く、逆に可能な限り原発依存度を低減する原子力は第5次基本計画と同じ比率となっています。また化石燃料は41%も占め、世界的な脱炭素の流れからは逆行しています。
第6次エネルギー基本計画
https://www.enecho.meti.go.jp/category/others/basic_plan/pdf/20211022_01.pdf