リオからの10年

 

@       進行する環境破壊と国際環境条約の成立

     地球サミット以降、京都議定書、砂漠化防止条約、残留性有機汚染物質(POPs)に関する条約などの重要な国際環境条約が採択された。

     しかし一方で、世界の政策決定者は議論に終始し、実効性ある対策を実行しようとしなかった。地球規模の環境問題は解決に向かうのではなく、むしろ悪化している。

A       加速するグローバリゼーションと貧困

     リオからの10年で急速に進行したのはグローバリゼーション。先進国業国に住む世界人口の20%が80%以上の資源やエネルギーを消費し、最富裕層と最貧層の格差はますます広がっている。最貧層20%と最富裕層20%の所得格差は、1960年には1対30であったが、1990年には1対60に広がり、2000年には1対78にまでなっている。

     人間が生きていくのに基本的なニーズを満たしていない絶対的貧困に喘ぐ人びとは15億人に達する。

     先進諸国のリオでの「ODA増額目標(GDP比0.7%)」は目標の3分の1レベル。

B       グローバリゼーションに対する市民の行動

     1999年11月、シアトルで開催されたWTO第3回閣僚会議は7万人のデモ隊に会場を包囲され、流会に。

2001年1月、「社会経済フォーラム」(代ダボス会議)に対抗してブラジルのポルトアレグレに1万6000人が集まりグローバリゼーションに批判の声をあげ、今年1月にもポルトアレグレに5万人が集まった。