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1 SEP 2002
再生可能な自然エネルギーの具体的数値目標の設定を!
ヨハネスブルグサミット参加NGO緊急共同声明
A SEED JAPAN
FoE
Japan
環境エネルギー政策研究所
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
気候ネットワーク
「自然エネルギー促進法」推進ネットワーク(GEN)
市民フォーラム2001 地球温暖化研究会
地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)
メコン・ウォッチ
ヨハネスブルグ・サミット提言フォーラム
ヨハネスブルグ・サミット開始から1週間が経ち、市民社会の参画、企業責任など、さまざまな問題で意見の対立をみた世界実施文書の内容が今晩中にもとりまとめられる予定である。京都議定書に関わるテキストなど、持続可能な社会への道筋を示した文章も合意されてはいるが、わたしたち、サミットに参加している日本の環境市民団体(NGO)は、今回の交渉の行方に、大きな懸念を抱いている。特にわたしたちが懸念しているのは、再生可能な自然エネルギーの具体的目標値について、現時点において、何の合意も得られないままであり、とくに、日本政府が、数値目標そのものの設定に強く反対していることである。
今回の交渉では、再生可能な自然エネルギーに関する世界全体での目標値の設定が、大きな目標とされてきた。事前会合の時点から、EUは世界全体で2010年に15%(ダム式水力発電など含む)の目標値を提案し、一方で、わたしたち環境NGOは、再生可能な自然エネルギー(ダム式水力発電など含まず)の目標値10%を強く求めてきた。しかしながら、日本政府は、数値を云々する以前に、目標そのものを持つことをかたくなに拒否し続けたまま、合意を阻んでいる。
再生可能な自然エネルギーの普及は、地球温暖化防止のみならず、貧困の中でエネルギーサービスへのアクセスを欠いている20億もの人々が、人間としての基本的なニーズを満たすために不可欠である。また、世界的数値目標を設定することは、新しい世紀へ向けて、化石燃料から再生可能な自然エネルギーへの移行を確認する非常に重要な政治的意思の表れである。
わたしたちは、具体的数値目標を含まず、また、化石燃料など、既存のエネルギー技術への補助金の拡大など、再生可能な自然エネルギーの促進を阻むような実施文書を受け入れることはできない。
わたしたちヨハネスブルグ・サミットに参加する日本の環境NGOは、サミット参加各国に対し、再生可能な自然エネルギーに関する、2010年までの具体的な数値目標設定の合意を強く要求するとともに、特に日本政府に対し、世界が持続可能な社会へ進むために、積極的な取り組み姿勢を示すよう、要請するものである。