8月28日更新分

 以下、ヨハネスブルグサミット(WSSD)に参加している早川専務理事からの報告です。



 8月27日、WSSDで採択が予定されている世界実施文書の京都議定書に関する記述をめぐって、現地の9つのNGOが連名で大木環境大臣に緊急申入れを行いました。EUが、京都議定書に関する記述をエネルギーの数値目標との取引に使おうとしているとの情報があり、海外のNGOと協議してそれぞれにロビー活動を行うことになり、WSSDに参加している日本のNGOで緊急の申入れを行うことになったものです。
 世界実施文書には、京都議定書の文言はパラグラフ36の1個所しかありません。ところが、この1箇所の京都議定書の文言をいれることにすらアメリカなどが反対しており、パラグラフ36はいまだに合意できていません。ところが、この京都議定書の文言を入れることを主張しているEUが、アメリカがあまりに強硬に反対するために、取引に使おうとしているのではないかという情報があり、気候変動問題に取り組んでいる世界のNGOが各国政府に京都議定書の文言を実施文書に明記することを働きかけようということになりました。WSSDに参加している日本のNGOも日本政府代表団に申入れをすることになり、8月27日、急遽、9団体で大木環境大臣に面会を申し入れ、同日午後8時45
分から大木大臣に面会し申入れを行いました。
 申入れの趣旨は、「世界実施文書の京都議定書の年内発効とその確実な実施についての記述について、日本政府がこれを支持することを公式な会議の場で表明する」ことです。大木大臣からは、申入れの内容は大臣としても同じ考えであり、申入れの趣旨に沿って努力するとの回答がありました。


***** 以下、申入れ文書 *****



大木 浩 環境大臣 殿

緊 急 申 入 れ

2002年8月27日(ヨハネスブルグにて)


A SEED JAPAN
FoE Japan
Japan Youth Ecology League
環境エネルギー政策研究所
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
市民フォーラム2001地球温暖化研究会
地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)
地球環境を守る会「リーフ」
ピースボート
ヨハネスブルグ・サミット提言フォーラム



申入の趣旨

 私たちWSSDに参加している環境NGOは、世界実施文書の京都議定書の年内発効とその確実な実施についての記述について、日本政府がこれを支持することを公式な会議の場で表明されよう強く求めます。


申入の理由

 世界実施文書第36項の京都議定書の年内発効とその確実な実施について、この記述を残すかどうかの交渉が続いていると聞いています。
 京都議定書は、地球サミット以降のもっとも重要な成果であるだけでなく、存在する唯一の地球温暖化防止の国際的なレジームであり、これを確実に実行することが地球温暖化防止の第一歩です。
 私たちは、京都議定書の年内発効とその確実な実施を世界実施文書に明記することが、地球温暖化防止にとって極めて重要だと考えます。
 京都議定書が採択されたCOP3の議長国である日本政府が、世界実施文書に「京都議定書」の文言を残すよう表明することは、世界の市民と将来の世代に対する責務だと思います。

 

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